文化財詳細
ナイフ形石器
(指定・登録なし、是川縄文館、20,000~24,000年前)
田向冷水遺跡の旧石器
文化財区分:
考古資料
時代区分:
後期旧石器時代
指定区分:
指定・登録なし
収蔵場所:
是川縄文館
田向冷水(たむかいひやみず)遺跡からは青森県南地方で初めて発掘調査によって旧石器時代の遺物が出土している。出土層位(しゅつどそうい)や石器の特徴から、今から約20,000~24,000年前頃のものと考えられる。
旧石器は、同遺跡の現地表面から約2m下の高館火山灰の最上位から出土し、ナイフ形石器、掻器(そうき)、削器(さっき)など定型的な石器のほか、台石上の原石を石で打ち割る両極打法によって両極に小剥離(はくり)が生じた両極剥片、二次加工のある剥片、敲(たたき)石、台石、大量の石屑など、40,000点ちかくもの膨大な量が約1,300㎡の範囲から発見された。
ナイフ形石器は、刃部側の基部に抉(えぐ)り入り状の加工が施される特徴を持つ。珪質頁岩(けいしつけつがん)製であるが、遺跡周辺に良質な石材の産地はなく、遠隔地からもちこんで使用していたものと考えられる。
解説執筆者 : 渡 則子
推薦文献 : 八戸市 2015「第二章 原始 第二節」『新編八戸市史 通史編Ⅰ 原始・古代・中世』