HACHINOHE HISTORIA

文化財詳細

#考古資料 #指定・登録なし #縄文時代 #八戸市南郷歴史民俗資料館
土偶
土偶
(指定・登録なし、八戸市南郷歴史民俗資料館、画像提供:是川縄文館、高さ4.0cm)

泥障作狐森遺跡出土 土偶

多くが女性の姿をかたどっている土偶は、その形から安産や子孫繁栄を願ったものであると一説には考えられている。縄文時代草創期後半の滋賀県相谷熊原(あいだにくまはら)遺跡や三重県粥見井尻(かゆみいじり)遺跡から出土した土偶が日本最古級の土偶として知られるが、八戸市で土偶が確認できるのは縄文時代早期からである。

本資料は、南郷に所在する縄文時代早期の泥障作狐森(あおづくりきつねもり)遺跡から出土した、現時点で八戸最古の土偶である。逆三角形で表現された体ははっきりとした手足がなく、また頭部にあたる部分はあるが、顔の表現はない。現在の資料では胸は確認できないが、2つの剥落(はくらく)痕があることから、当時は胸の表現もあったことがうかがえる。細かな装飾はないものの、両肩から体の中心にかけて細い線でY字形の文様や刺突(しとつ)文が施されており、これは当時の衣服を模したものとされる。表面は、全体的に赤みを帯びた黄褐色であるが、割れた下半部の断面も同じような色調であることから、製作時以外にも加熱された可能性がある。

本資料は、東北地方でみても最古級の土偶であり、当地域における土偶の出現を考えるうえで重要な資料である。

解説執筆者 : 佐藤 ちひろ
推薦文献 : ①八戸市『新編八戸市史 考古資料編』 ②八戸市『八戸市史 通史編Ⅰ原始・古代・中世』
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