HACHINOHE HISTORIA

文化財詳細

#考古資料 #指定・登録なし #縄文時代 #是川縄文館 #その他
黒曜石製石匙(熊ノ林遺跡出土)
黒曜石製石匙(熊ノ林遺跡出土)
(指定・登録なし、是川縄文館、13.6cm)
アオトラ石製石斧(中居遺跡出土)
アオトラ石製石斧(中居遺跡出土)
(指定・登録なし、是川縄文館、5.1cm)
ヒスイ製垂飾(写真中央、笹ノ沢(3)遺跡出土)
ヒスイ製垂飾(写真中央、笹ノ沢(3)遺跡出土)
(指定・登録なし、青森県埋蔵文化財調査センター 『青森県埋蔵文化財調査報告書第372集』から転載、直径3.6cm)

石からみる縄文時代の交流

縄文人は、道具の材料を住んでいる場所の近くで得るほかに、遠方の人びととの交流の中で獲得していたことも知られている。たとえば、矢じりやナイフなどに加工した黒曜石は、八戸周辺ではとれないため、北海道赤井川(あかいがわ)や山形県月山(がっさん)で産出されたものが持ちこまれていたことが明らかになっている。また、石斧(いしおの、せきふ)のなかには、アオトラ石と呼ばれる緑色の縞模様をもつ石が使われているものがある。アオトラ石は、北海道平取(びらとり)で産出されるものであるが、その分布は八戸地域にとどまらず東北全域におよんでいる。

ほかには、新潟県糸魚川(いといがわ)で産出されたヒスイが各地で見つかっている。特に、笹ノ沢(ささのさわ)(3)遺跡で出土したヒスイの垂飾は縄文時代中期初めごろのものと考えられており、青森県内での出土例としては古い時期に位置付けられる。

解説執筆者 : 上ノ山 拓己
推薦文献 : ①八戸市 2009『新編八戸市史 考古資料編』 ②青森県 2017『青森県史 資料編 考古1 旧石器・縄文草創期〜中期』