文化財詳細
狩猟文土器
文化財区分:
考古資料
時代区分:
縄文時代、縄文後期
指定区分:
県指定(県重宝)、指定・登録なし
収蔵場所:
是川縄文館、その他(青森県立郷土館)
縄文時代中期末葉から後期初頭にかけて、東北地方を中心に、狩りの場面を表したとされる「狩猟文土器」と呼ばれる土器が発見される。狩猟文土器は北海道南部から福島県まで分布するが、東北地方北部の太平洋側からの発見例が多い。狩猟文土器は主に、上から見た4つ足の動物、弓矢、樹木、落とし穴のような文様が描かれる。
県重宝に指定されている八戸市韮窪(にらくぼ)遺跡出土の狩猟文土器は、縄文時代後期初頭の牛ヶ沢(うしがさわ)式期のもので、胴部には、上から見た4つ足の動物、弓矢、樹木、落とし穴のような文様が横位に展開して描かれている。動物に対して向けられた弓矢には突起があり、装飾をつけた飾り弓とも推測される。4つ足の動物は抽象的な表現のため、具体的にどの動物を表しているかはわからないが、縄文時代に利用される動物のツキノワグマあるいはイノシシと考えられている。狩りの成功を祈る儀式で使用されたのかもしれない。
解説執筆者 : 落合 美怜
推薦文献 : 八戸市『八戸市史 通史編Ⅰ』