文化財詳細
合掌土偶・頬杖土偶
文化財区分:
考古資料
時代区分:
縄文時代、縄文後期
指定区分:
国宝、重要文化財
収蔵場所:
是川縄文館
ここで紹介する2点の土偶は、いずれも縄文時代後期後半の拠点的な集落跡である風張(かざはり)1遺跡からの出土品である。
画像1の土偶は、座った状態で両腕を膝の上に置き、正面で手を合わせ指を組んだポーズをとっていることから、「合掌土偶」と呼ばれている。一般的に、土偶は捨て場から壊れた状態で見つかることが多いが、本資料は竪穴建物内から出土した。左ももの付け根などの割れた部分にはアスファルトが付着しており、当時の縄文人が修理して大切に扱っていたことがうかがえる。また、顔や体の一部で赤い顔料が確認できることから、使われていた当時は全体が赤く塗られていたと思われる。本資料は、以上のような特徴から、当時の風俗を考えるうえで極めて高い価値を有するものとして、平成21(2009)年に国宝に指定された。
画像2の土偶は、体育座りをした体勢で頬杖(ほおづえ)をついているように見えるため、「頬杖土偶」と呼ばれている。合掌土偶と同じく、本資料も竪穴建物跡から出土した。風張1遺跡から出土した土偶は約70点あるが、竪穴建物跡から出土した、ポーズをとった状態の土偶はこの2点のみである。
解説執筆者 : 佐藤 ちひろ
推薦文献 : ①八戸市『新編八戸市史 考古資料編』 ②八戸市『八戸市史 通史編Ⅰ原始・古代・中世』 ③『縄文土偶ガイドブック』