文化財詳細
飛鳥時代(7世紀)の土師器(はじき)
文化財区分:
考古資料
時代区分:
飛鳥時代
指定区分:
指定・登録なし
収蔵場所:
八戸市博物館
土師器(はじき)とは、古墳時代から平安時代にかけて使用された褐色の素焼き土器で、飲食用の坏(つき)・埦(わん)・高坏(たかつき)、煮炊き用の長胴甕・甑(こしき)、貯蔵用の球胴甕・壺、祭祀用の手づくね土器など、使用方法に応じたさまざまな器種がある。坏や埦の内面は、液体が浸透するのを防止するためによく磨かれており、炭素などを吸着させて黒色処理を行うのが一般的である。
この時期の土師器は、馬淵川(まべちがわ)流域や奥入瀬川下流域から集中して出土しており、表面に丁寧なヘラミガキを行って仕上げられているものが多いのが特徴である。土師器は基本的には無文の土器であるが、中には、甕や坏の口縁部に鋸歯(きょし)文様を描いた土器や、口縁部が極端に長い甕など、「東北北部型土師器」と呼ばれる、地域色のあるものも認められる。
解説執筆者 : 宇庭 瑞穂
推薦文献 : ①八戸市『新編八戸市史 通史編』 ②八戸市『新編八戸市史 考古資料編』