文化財詳細
鹿島沢古墳出土品
文化財区分:
考古資料
時代区分:
飛鳥時代、飛鳥後期
指定区分:
指定・登録なし、県指定(県重宝)
収蔵場所:
八戸市博物館
馬淵川(まべちがわ)を見下ろす高台に立地する末期古墳であり、現在周辺は住宅地となっている。末期古墳とは、7世紀から9世紀に東北北部と北海道石狩平野の一部地域に造られた、小型で円形の墳丘をもつ墓である。
1956年に墳丘が発見されたことで存在が確認された。その後、1958年8月には慶応義塾大学考古学研究室による発掘調査が行われ、刀や鉄製の矢じり、金環、ガラス玉などが出土した。このほかにも、1950~60年代に須恵器や馬具が採集されている。
出土品のうち、須恵器は静岡県西部の湖西窯(こさいよう)産とみられ、刀や玉類も東北南部や関東から搬入されたと考えられている。これらは、葬られた人物が、遠方の品物を手に入れることができるほどの有力者であったことをうかがわせ、八戸地域の歴史を考えるうえで貴重な資料であることから、2002年に県重宝に指定された。
解説執筆者 : 上ノ山 拓己
推薦文献 : ①青森県 2005『青森県史 資料編考古3弥生〜古代』 ②八戸市 2009『新編八戸市史 考古資料編』