HACHINOHE HISTORIA

文化財詳細

#考古資料 #指定・登録なし #平安時代 #八戸市博物館 #是川縄文館
錫杖状鉄製品(上七崎遺跡)
錫杖状鉄製品(上七崎遺跡)
(指定・登録なし、八戸市博物館、平安時代、a 19.0×5.5 b 13.4×5.5cm)
土馬(岩ノ沢平遺跡)
土馬(岩ノ沢平遺跡)
(指定・登録なし、八戸市博物館、平安時代、10.4×6.3cm)
墨書土器「方人」(田面木遺跡)
墨書土器「方人」(田面木遺跡)
(指定・登録なし、是川縄文館、平安時代、14.9×8.6cm)

平安時代の祭祀

平安時代の集落では、直接的な衣食住のためではなく、おまじないや祭祀を目的とした道具が出土する事例がある。

錫杖(しゃくじょう)状鉄製品は、仏具の錫杖を模したと考えられ、全国的にも北東北に出土事例が多い地域色の強い遺物である。形状は棒状を呈する杖の上部に二つの輪があり、その輪に鉄筒がいくつか連結する複雑な形状である。そのため、欠損した状態で出土することが大半だが、上七崎(かみならさき)遺跡ではほぼ完全な状態で出土している。

また、土製手捏ねの素焼きで馬形につくられる土馬が岩ノ沢平(いわのさわたい)遺跡で出土している。この土馬は西日本を中心に数多くみつかっており、木製の木馬とともに様々な祭祀で使用されていたとみられるが、関東以北では出土事例が少なく、青森県では2例のみである。

さらに平安時代になると、八戸にも文字資料がはじめて残されるようになる。それが、うつわに書かれた墨書土器や、ヘラによる刻書土器である。文字数は「千」「万」「大」「中」「田」などの1字のものが大半で、中には仏教と関係する「寺」というものもある。2文字以上のものは数少なく、田面木(たものき)遺跡では「方人」と書かれた器が複数まとまって出土しており、住居を廃棄する際のおまじないに使われたものとみられる。

解説執筆者 : 苧坪 祐樹
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