文化財詳細
大仏遺跡出土品
文化財区分:
考古資料
時代区分:
平安時代、平安後期、鎌倉時代、鎌倉前期、鎌倉中期、鎌倉後期
指定区分:
指定・登録なし
収蔵場所:
是川縄文館
大仏(だいぶつ)遺跡では、10世紀後半から11世紀後半にかけての古代の遺構と、後の「尻内(しりうち)館」に関わる12世紀から15世紀にかけての中世の遺構が見つかっている。
古代の遺構としては、カマドをもつ竪穴建物跡のほか、カマドのない竪穴遺構や、溝跡、土坑が発見されている。出土した土師器は、10世紀後半から11世紀前半のもののほか、11世紀後半から末頃のものと推定される明褐色の小皿や厚手の椀がある。また、10世紀後半から11世紀前半の中国製白磁皿も出土している。
中世の遺構は、掘建柱建物や竪穴遺構、土坑墓、井戸、溝などであり、それまでの古代集落と大きく異っている。食器類については、土師器の坏や椀、甕がほぼ消え、中国産の青磁や、常滑(とこなめ)、珠洲(すず)、瀬戸などの国産陶器のほか、滑石(かっせき)製の石鍋が遠方から運ばれてきている。
このように大仏遺跡は古代から中世にかけての集落や食器類の変化を確認できる貴重な遺跡である。
解説執筆者 : 渡 則子
推薦文献 : ①八戸市 2015「第三章 古代 第四節」『新編八戸市史 通史編Ⅰ 原始・古代・中世』