HACHINOHE HISTORIA

文化財詳細

#書籍・典籍・古文書 #工芸品 #市指定 #江戸時代 #寺社仏閣
写経紺紙金泥法華経
写経紺紙金泥法華経
(市指定、寺社仏閣、福善寺(写真提供:八戸市教育委員会社会教育課)、江戸時代(貞享3年/1686年)、員数8巻)
二十五条袈裟
二十五条袈裟
(市指定、寺社仏閣、南宗寺(写真提供:八戸市教育委員会社会教育課)、江戸時代(宝永6年/1709年)、一肩)
本小札勝色威二枚道具足附具足櫃
本小札勝色威二枚道具足附具足櫃
(市指定、寺社仏閣、三八城神社(写真提供:八戸市教育委員会社会教育課)、江戸時代(伝元禄2年/1689年)、一領)

八戸藩2代藩主直政とその事績

八戸藩2代藩主南部直政(なんぶなおまさ)は、寛文元年(1661)に盛岡で生まれた。八戸藩が新たに創設されたのは、寛文4年(1664)、直政が4歳のとき。その後、父直房(なおふさ)の急死により、8歳で2代藩主となり、以後は江戸藩邸暮らしとなった。

学問好きの直政は学問を通じて様々な文人と交流があり、彼らとは江戸藩邸内の文林館で詩歌会を頻繁に開いていた。その中には林信篤(はやしのぶあつ)〔大学頭〕や知足院の隆光(りゅうこう)などもおり、文林館は江戸の知識人たちが集うサロンとなっていた。

直政の高い教養と仏教に対する篤い信仰心が見込まれ、幕府内では御詰衆(おつめしゅう)、御側用人と出世し、柳沢吉保(やなぎさわよしやす)とともに5代将軍徳川綱吉に仕えた。病により御側用人を辞した後は、「新編文林全集」の編纂に着手。自作の漢詩を家臣の戸田順折に編纂させた。「新編文林全集」は3部書き写され、江戸の菩提寺である金地院、八戸の菩提寺である南宗寺(なんしゅうじ)、藩邸で大切に保管された。

元禄12年(1699)、39歳の若さでこの世を去った直政は、生前に八戸の安泰と領民の幸福を祈って、国元と大和長谷寺に「紺紙金泥法華経」をそれぞれ奉納している。また、直政の死後、母霊松院によって南宗寺に贈られた「二十五条袈裟」は、直政ゆかりの品の能衣装を袈裟に仕立て直したもので、霊松院の墨書がある。このほかに、直政ゆかりの品として「本小札勝色威二枚胴具足附具足櫃」があり、これは元禄2年(1689)に直政が勧請した新羅宮〔現三八城神社〕へ寄進したものと伝えられている。

解説執筆者 : 八戸市社会教育課 柏井 容子
推薦文献 : ①八戸市教育委員会 2013『はちのへ文化財ガイドブック』  ②岩手県立博物館 2014『ふるさとは岩手 八戸藩の礎となった母と子~二代藩主南部直政と生母霊松院~』  ③八戸市博物館 2014『八戸と9人の藩主』  ④本田伸 2018『シリーズ藩物語 八戸藩』
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