HACHINOHE HISTORIA

文化財詳細

#絵画・書 #指定・登録なし #昭和時代 #八戸市美術館
豊島弘尚《墓獅子舞A》
豊島弘尚《墓獅子舞A》
(指定・登録なし、八戸市美術館、昭和43年(1968)制作、豊島弘尚、259.1×193.9cm)

豊島弘尚

豊島弘尚(とよしまひろなお)(1933~2013)は美術家。生まれは青森県上北郡横浜町だが、書道の教師をしていた父・豊島鐘城(しょうじょう)の転任に伴い、小学生の頃に八戸市へ越してきた。高校卒業後は創作舞踊家の姉・豊島和子を頼って上京。昭和32年(1957)に東京藝術大学を卒業している。

豊島は昭和40年代初めまで、人間の頭部をテーマに一連の作品を制作していた。その後、昭和43年(1968)に発表したのが《墓獅子舞A》である。この作品は、八戸市鮫地区に伝わる鮫神楽の「墓獅子」という演目をモチーフにしている。画面中央に黒と青で描かれた山状の形は、縞模様の衣装を纏い墓前で頭をもたげる獅子の姿と重なる。また、この幾何学的な色面構成は、1950年代のアンフォルメルから脱却するように起きた、1960年代ミニマリズムの流れを反映していると考えられる。

郷里八戸の他にも、滞在した北欧や、アトリエを構えた那須から着想を得て、豊島は作品制作に取り組んだ。その作風は、頭部、八戸、北欧、那須と、年を追うごとにそれぞれの要素がレイヤー状に重なっていくように変化する。例えば八戸の海に北欧神話の湖が重なり、父・鐘城に神・オーディンの姿が、北欧のオーロラに那須の月夜が重なっていくのである。

解説執筆者 : 八戸市美術館 篠原 英里
推薦文献 : 八戸市美術館編 2002『八戸市美術館特別展 北の光に魅せられてー豊島弘尚展』八戸市美術館

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