八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
特別寄稿 よみがえった「八戸の安藤昌益」
根城秀峰
八戸青年会議所が制作したスライド「安藤昌益」のナレーションに「安藤昌益って誰?」というくだりがあります。そう私の認識はその程度でした。スライドは江戸時代の社会環境と安藤昌益思想を強烈に訴えます。飢饉と餓死供養塔の話、封建社会のひずみ、そして現代も形を変えながらその問題を抱えている事を。平成四年十月十七日、八戸市公会堂に全国から千二百人が集まり「安藤昌益国際フェスティバル・八戸」が開催されました。シンポジュームのパネラーとして参加していた作家の井上ひさし氏が、こんな素晴らしい大会が開催できる八戸に資料館を作ったらと提案されました。スタッフの一員であった私が昌益については何も分らなかったが、資料館という言葉が耳に残って事務局長の三浦忠司先生に相談しました。しかし、文化施設の黒字運営は無理なことは分っていました。それから十七年の歳月を経て本年十月三日、ついに「安藤昌益資料館」を開館することができました。
オープニングセレモニーで、一〇〇人を超える参加者を前にして挨拶をしようとマイクに向かった瞬間に胸が詰まって声が出ませんでした。
「十七年間の思いが叶った」嬉しさでいっぱいでした。
八戸の風土が生んだ「昌益思想」、地域主権が問われて久しいですが、私は昌益から地域主権を学んでいるような気がしています。
資料館は自然真営道や八戸藩日記を複製展示していますが、見て・触って・感じて欲しいと展示資料すべてを手にとって見ることができます。
研究者の方だけでなく、市民に親しめる展示を目指したからです。
予算の関係でまだ展示物は不備ですがこれからも収集していきます。
沢山の方々の協力と支援を頂いて開館できましたが、目的のひとつである関係資料の収集に八戸ペンクラブの島守光雄前会長はじめ研究者の方々から沢山の資料を提供していただいています。今後はこれらを整理して展示していきます。
安藤昌益資料館は開館しましたが、始まったばかりです、「よみがえった」は少し言い過ぎでとは思いますが、拠点ができた訳ですから、改めて「安藤昌益の地」として活動していきたいと思っていますのでご協力をお願いします。 (安藤昌益資料館をつくる会会長)