八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

この本・この資料 詩集『飛礫収め』

仁科源一著

嫌々通った旧制中学校で 

父は英習字が得意だった 

他愛のないお喋りにも英語が使えなくなって 

少年の夢は消えて中退した

 「少年の夢」の第一連である。

 山梨生まれの父親は東京で育ち、 戦地に赴き、結婚して北国に住んだ。 平和を愛し、酒を好む。息子を映画「赤胴鈴之助」に連れて行き、その帰り「場末の飲み屋に父親は立ち寄った」。男の子は早く帰りたい― と父にしがみつく・・・。日本が歩んだ道、家族の営み、赤い口紅の女性が路地裏で逞しく生きる姿。「口笛」や「戦友」「ネオン小路」などからなる作品群からも壮大な叙述詩と言えよう。

 著者・仁科源一さんは1951年生まれで元中学校教師。詩誌『斜坑』 の編集同人で当八戸ペンクラブの会員。これまでに詩集『夏の鳥』『くさぶえ』など。

99㌻、税込み1200円。斜坑社刊