八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
七月期講演会の報告
島守輝雄
当クラブの七月期講演会は七月二十四日(木)、八戸学院大学の木鎌耕一郎教授を招き、「新郷村とウェストン」について講演いただいた。
ウェストン卿は一般には登山家であり日本アルプスを世界に紹介した人として知られている。講演では英国聖公会キリスト宣教師とし、明治三十五年に起きた東北大飢饉の救援活動で青森県入りしている事が明かされた。
そのウェストンは、東津軽群小湊から東平内・藤沢、七戸・天間林、 尻内・五戸・戸束(現新郷村)と広範囲を回った。厳冬期は馬ソリで、 早春のぬかるみの中を馬車や徒歩でめぐりアワ・味噌・外国米・毛布の救援品をそれぞれの村長らと配分したという。
救援は横浜居留地外国人からの義損金によるものが多い。現地を回るウェストンが横浜の「青森飢饉救済基金」との日々の手配が電報などの資料を併せ読むことで当時の光景が浮かびくる講演であった。
電報記録など、一部紹介
明治三十六年三月四日、沼崎に救援物資到着。
救援物資内容 ・外国米 6斗入493袋 ・味噌 貨車2輌(290樽) ・毛布 390枚