八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
この本・この資料『青森県ゆかりの文学Ⅲ』
斎藤三千政著
斎藤三千政弘前ペンクラブ会長が放つ『青森県ゆかりの文学』の書、 第三弾。弘前ペン仲間を統括する傍ら、県内外の文学、作家群像に詳しい権威者の上梓だ。
「反骨のジャーナリスト」と呼ばれる陸羯南。著者は羯南の存在を学校の授業で教えられる僥倖に恵まれた少年期を振り返るが、行間には津軽の先達に畏敬の念が滲む。「鎌田慧と陸羯南」や「羯南と正岡子規」「陸羯南と佐藤紅緑」などその人物像を多岐に論じていく。淡谷悠蔵、竹内俊吉ら文学活動しつつ政治家の貌を持つ人、アニメ分野などで活躍の県人、関係者も広く捉える。
既刊Ⅰ、Ⅱでは八戸出身の芥川賞作家・三浦哲郎さん(故人)の作風も紹介済み。そのタッチは「三浦哲郎の作品を読むと、なぜか、胸が熱くなる」と記す。
著者・斎藤さんは1947年生まれ。弘前高校から新潟大人文学部へ進み、県近代文学館室長、黒石高校長など歴任。現在は弘前ぺンク会長、 県郷土作家研究会理事など。『青森県ゆかりの文学Ⅲ』は273㌻で2 700円+税。北方新社刊