八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

「安藤昌益と世界哲学」 昌益資料館9周年記念シンポ

 八戸市に安藤昌益資料館がオープンして9周年を記念したシンポジウムが11月10日、天聖寺で開かれた。主催が昌益資料館を育てる会(根城秀峰会長)だが当クラブも協賛に名を連ねる。

 同日の基調講演は神田外語大学日本研究所專任講師ロマン・パシュカさん。「比較哲学の中の安藤昌益」 でテーマは少し重いが「日本文化を学生に教え、昌益を研究している。ルーマニア生まれの私だが日本文学を日本語で読みたいと高校時代から思った」と流暢な日本語で語りかけ。昌益とアダム・スミス、昌益の農本主義にも論が及んだ。

 昌益についてはハーバート・ノーマン・著『忘れられた思想家』〜安藤昌益のこと〜以来、日本の江戸中期に活躍した世界的思想家と注目された。が、その後、世界に向け昌益を情報発信するのは一部研究者らだけ。当日、会場からパシュカさんへ「さらに世界へ昌益発信を・・・」との声があがった。「八戸訪問は3回目」 というパシュカさんはその声に応えたい思いを会場で滲ませた。

 第2部、シンポジウムは三浦忠司八戸歴史研究会長をコーディネーターにパシュカさん、熊谷拓治八戸漁業指導協会長、木鎌耕一郎八戸学院教授が「昌益と世界哲学」の視点から自説開陳に及んだ。

 なお、昌益資料館がオープンしことしで10周年となり秋には一大シンポを模索中だ。