八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
バングラデシュとの交流
畑中大吉
インドとミャンマーの間にあり、前方にベンガル湾を。首都はダッカのこの国に私たちのグループは関わって十年になる。ここを訪ねた私たちのグループは延べ約二百名。
世界の最貧国と言われているこの国との関わりは、留学生として来日していたアジズル・パリさんとの出会いに始まる。彼のひたむきな国を思う高い志に共感したからである。
先ず三年で三校の学校を造った。そこを拠点として、あとは自分たちで取り組んで下さいと訴えてきたが、私の所にも、こっちにも造って下さいと市長も知事も、そんな姿がエスカレートするばかり、これではいかんと、学校への寄付は中止した。
井戸掘りもやったが、地下水に自然の砒素が含まれていて中止した。
毎年訪ねる村人の家にホームステイさせてもらい、電気、水道もない文明社会とは無縁の村人たち。夜、トイレに立てば必ず灯りを持って見守ってくれている。ここの人々のやさしさには、心の豊かさを感じたと、女性の皆さんには涙ぐむ人達も多い。
運動会もやった。団体で競技することを知らなかった人々は、始め尻込みをしていたが、だんだん楽しさが伝わってきたようだったと友人は話す。
十年目となる今年は日本語学校を開設しようと決めた。その目的は「日本語教育を通じ、日本人の道徳心を伝えていく」。
一年前から現地責任者を常駐させて取り組んでいるが、なかなか苦労しているようだ。
現在のバングラデシュの商人たちは手段を選ばないやり方で、私腹を肥やすためには約束違反、借金の踏み倒し、持ち逃げが常習化、そこを正さねば、この国の本当の発展はないと腹に据えかねたようにまくしたてたラジャさん。
彼の国に役立つことの出来る志を持った立派な青年を育てようと話し合っている。 (青年塾)