八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

会員の「文化レポ」全国注目の八戸ブックセンター 芥川賞・直木賞で話題に

 このところ、八戸ブックセンター (音喜多信嗣所長)の独創的な活動が各方面から注目されている。その一つ、全国の文学ファンから関心を集めた第162回芥川賞・直木賞選考で八戸出身者2人がノミネートされ選考経過生放送PV(パブリックビューイング)だ。

 芥川賞・直木賞の選考会は一月十五日夕、東京・築地の料亭で行われた。この模様を同センター館内でPV中継。文学史上初めてとなった両賞に八戸出身者同時候補。木村友祐氏の「幼な子の聖戦」と呉勝浩氏の 『スワン』である。

 結果は2氏とも受賞ならず次回以降と相成ったが、八戸市が国内最高2文学賞の候補者を出したことが注目の的。NHKが全国ネットで伝え、 地元TV局、朝日、毎日新聞や東奥日報社、デーリー東北新聞社の記者らも同センターで取材を繰り広げた。メディアの中には同センターの存在に関心を寄せ報じたところも。

 これより先、一月十一日に開かれたのが石川啄木に因む映画上映会。 啄木の詩心、短歌を底辺に三陸の80歳〜90歳となる女性が“気仙語”など方言を見事に生かした映画「東北おんばのうた〜つなみの浜辺で」上映。ゲストには詩人の新井高子さんとケンダル・アイオワ大学准教授。

 新井氏はアイオワ滞在中にこの映画を制作したと言い、東日本大震災の際の津波やチリ地震津波など相次ぐ大災害で苦しみ、悲しみを乗り越えてきた年配女性の心の内側を見事なインタビューで引き出していた。

 さらに同日、青森近代文学館の伊藤文一室長によるアカデミック・ トーク「寺山修司発想の源泉」が開かれた。これは同文学館が常設展示する旧蔵図書、見どころなどを解説するもの。

 一方、当クラブ員の活動をバックアップする事例もまた時おり。直近では滝尻善英副会長の「初心者のための川柳添削講座」だ。これは「川柳サロンin八戸ブックセンター」と銘打たれる講座で1回目が二月八日だった。