八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

『八戸聞見録』に新たな写本 当クラブ、安田理事が提示す

 当クラブ新春講演会の直前、おもちゃコレクターとしても知られる安田勝寿さん(当ク理事)が『八戸開見録』の写本を木村久夫講師に提示した。この書の表紙には「『八戸聞見録 八巻合本』とあり、裏表紙には「玉内写本」と記されていたという。

 『八戸聞見録』は明治14 (1881)年、当時、八戸町にあった三戸郡公立中学校の教員長(現在の校長) を務めていた渡辺村男さんが著した。 この地方で初めての「地歴誌」。

 写本には明治天皇への奏上文があり「復興叢書」とも明記される。八戸では大正13 (1924)年5月16日、大火災がありその後「復興会」が組織された。実は八戸童話会の前身「森のおとぎ会」も翌14年に始まり、こちらも心の復興を願ってのこと。従ってこの写本は明治13~14年ころ、玉内某が原本(控え本)などから写した貴重な史料と推される訳だ。

 木村さんは「明治天皇が八戸へ初めてご来臨の時、渡辺はこれを献上した。原本発見の手がかりとなれば」 と今後の展開に期待をつなぐ。

 写本を入手、保存して来た安田理事も今後の進展を見守る。