八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
「戦中暮らしの史料展」アンケート調査結果(上)
7月下旬に実施された資料展の来場者による調査結果の一部を記してみる。もっとも来場者二一八名のすべてではなく、来場者のほゞ6割の一三八名が調査に回答してくれた。
最初に、調査の回答者はどのような人々であったかについてみると、性別では、男性63%、女性36%。年令別では、70才以上が42%と最も多く、60代26%、50代12%と高齢者が多いが、このことは、これからのいくつかの調査結果をみていく上で重要である。(50才以下15%)
まず、戦争体験についての質問。太平洋戦争の体験について聞いてみると、年代で推定出来ることではあるが、「実際に戦争体験をした」43%「体験とまでは言えないが記憶にはある」21%である。次に、戦時中の国家による言論・報道統制を知っていたかどうかを質問結果からみると、「知っていた」74%と、実に多くの人々が知っていたと答えている。その他の回答では「他人から聞いて知った」5%、「聞いたような気がする」8%であった。若年層が少なかったとはいえ、全体的にその認知度は高い。
戦争の末期、八戸も空襲に見舞われるのであるが、“戦時中の八戸が空襲にあったことをご存知でしたか”という質問の結果をみると、「知っていた」と答えた人は68%であり、「他人から聞いて知った」人は13%であった。 今回の展示会では、米軍が日本に上陸すると想定した際の主要上陸地点の一つとして、八戸地域が想定されていたことを明らかにする地図や資料が展示されていたが、そのことについて、“八戸地域が米軍の主要上陸地点と想定されていたことをご存知でしたか”と質問した回答結果は、「知っていた」34%と、さすがに米国側の機密情報であった故か、知っていた人は少なかったといっていいであろう。「他人から聞いて知った」と答えた人11%である。「知らなかった」人で、つまり、今回の展示会での展示をみて、初めて知った人は38%であり、今回の展示会の有効性を現わす事項の一つでもある。
次に、終戦直後、八戸にも米軍が進駐して来る。その当時八戸に居住していた人々は当然憶えているのであるが、そのことを質問結果でみると、「知っていた」と答えた人は69%と多い。「他人から聞いて知った」13%であったが、「知らなかった」つまり今回初めて知った人は意外にも14%もあった。
アンケート調査「質問と回答」
調査日は二〇〇三年八月二十五日から二十八日までの四日間(数字は実数。小数点以下は四捨五入。カッコ内は%。質問文は一部省略)
◇あなたは太平洋戦争を体験されましたか。(回答率97%)
- 実際に体験した 60(43)
- 体験には遠いが記憶ある 29(21)
- 聞いたことはある 40(30)
- 経験も聞いたこともない 4 (3)
- 無回答 5 (4)
◇戦時中に国家による言論・報道統制がありましたがご存知でしたか(回答率96%)