八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club
会員らが企画力を発揮 戦後70年平和展や写真展
暑かったこの夏、会員らが主導する戦後70年展、平和展の企画も熱く市民の関心を呼び、好評を博した。延長国会では安倍晋三政権が成立を狙う安全保障法案が審議されていた。平和安保と与党は喧伝するが野党は“戦争法案”だと警戒、憲法学者やノーベル賞受賞者、文化人らが相次ぎ憲法違反の疑いを指摘。しかも、 よりによって「戦後70年」、大切な節目の年に・・・である。
ことしは新聞、テレビ、雑誌など各メディアが戦後70年の企画、特報、 連載などに力を注いできた。当クラブ会報もまた紙幅は少ないが会員らの手記を掲載中だ。
戦後70年「はちのへ平和展」は8月23日から3日間、ポータルミュージアム「はっち」で開かれた。この実行委員長は当クラブ、道合政邦会員で、内田弘志当クラブ会員らも主要メンバー。実行委員会参加団体ははちのへ九条の会、新日本婦人の会など。市教委や地元メディア、当クラブなどが後援。展示されたのは絵画、版画、切り絵、書、写真など「テーマに沿い模造紙に張り込んだ作品を合わせると300点余に上る」と主催者。特別企画は原爆パネル展で広島、長崎の被害も生々しく70年後の今に伝えた。
道合実行委員長は版画教育でも情熱家として知られ、今回も「命( ぬち)どう宝」の版画(40号大)を出品。3.11東日本の大震災に被災者らが折る合掌の姿が見る者の心を打つ。また、当クラブ、島守光雄顧問の色紙俳句は墨痕鮮やかに「戦争の語り部たらむ初講義」など6句が並んだ。
一方、当クラブ、小倉秀彦会員が館長を務める八戸クリニック街かどミュージアムでは7月11日から広範小な「八戸 戦後の写真展」を開き市民らの関心を呼んだ。第一展示「移ろいゆく街並み」は中心街の協力店ウインドウ数十か所で。第二展示「暮らしと人」は同ミュージアムで。第三展示は市公民館で「地域の思い出」 がテーマ。和井田登さんが記録し続けた写真のほか一般市民からの協力を得た貴重な写真をポスター形式で展示。8月30日には市内柏崎にある「八戸クリニック 街かどミュージアム」で50人規模のシンポジウム。 同館の小倉学・学芸員が進行役となり橋本精二・八戸商店街連盟会長、 類家德昌,八戸中心商店街連絡協議会長、高橋俊行・弘前大学客員教授の三人がアドバイザー。八戸中心街で戦前、戦後にデパート、商店がどのような変遷を遂げたかなどパワーポイントやスライド写真を披露しながら解説を加えた。全出陳の写真が 500枚に及んだ同展は反響を巻き起こし9月6日で終了した。
このほか、八戸市博物館では「かつて戦争の時代に」―記憶を継承するために―を7月11日から8月30日まで開催し、多くの市民らが足を運んだ。