八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

「名無し崎」その後

堀徳郎

 八戸ペン二八号に、「名無し畸」に名前を下さいと提案しましたが、うれしいことに、「日の出崎」「鮫浦崎」「小舟渡崎」「鮫角岬」などだくさんの提案を頂きました。

 八戸市観光課作成の「種差海岸散策ハンドブック」には「鮫角」の名が見えます。これは鮫観光協会、種差観光協会、はちのへ小さな浜の会、市民ガイド八戸協会などのお力で完成し無料で配布されているもので大傑作です。

 しかし、古地図や海上保安部の地図などと比較すると「鮫角」は、燈台の場所を含めこのあたり一帯を指す名袮のようにも思われます。名付けには、市民の合意形成が必要で、期待しているところです。

 もう一件出てきました。鮫駅から蕪島-マリエントー恵比寿浜-鮫角燈台-名無し崎-葦毛崎-カマの口-白浜海岸に囲まれる出っ張りは地形的に半島ではないのか。それなら何という半島なのかという疑問です。みなさんエッと言った顔をします。

 これについては最近発行された「八戸市史近世資料編」の付録に、南部藩が幕府に提出した絵図の縮小コピーがありました。その中に「鮫ケ崎」と判読できる小さな筆文字がかすかに見えたのです。これはなんと一六四四年のものです。この原図は盛岡市中央公民館にあるとのことで少しだけ写真を撮らせてもらうことになりました。撮影の腕前は心細い限りですが、「乞う御期待」といったところです。  (八戸ペンクラブ会長 堀 徳郎)