八戸ペンクラブ
The Hachinohe P.E.N. Club

新春にあたり・・・当クラブ、創設15周年 この意義を確かなものに

吉田德壽

 かつて「不確実性の時代」という著書が売れ、いまは不寛容の時代とか。世界にはびこるテロや宗教対立、 難民紛争、政治ポピュリズムなど。 このような世相を心理学者らは「退行欲求が強まったことによる」と読む。「成長欲求」とは逆で理念追及できず、壁や敵をつくる・・・という指摘だ。だからこそメディア、ペンの存在意義は大きい。

 想い起せば15年前の5月、八戸ペンクラブが島守光雄初代会長の下に設立された。現在では郡部や首都圈在住の会員もおり、総勢60人をわずかに超す。

〈これまで〉一文学への旅など

 当クラブの息長い企画、催事には隔月の実施を意識した文化講演会や古本まつり、それに併催する絵画、 色紙、掛け軸など展示会。近年は一般市民へ呼びかけ「文学への旅」や 「はっち」での「一箱古本市」が加わった。

〈これから〉―星加ルミ子さんの講演会も企画

 翻って県内のペンクラブの活動をみたい。弘前ペンクラブは創立20年を超すが若い活動家、女性会員も多く、市から事業委託を受けられる力量を持つ。青森ペンクラブは短編小説を募集、選考、発表する。これも選をする識見や機能が伴う。

 当クラブでは隔月だが会報を発行、 毎月、役員会を開いている。役員会では画期的な企画としてこうした文芸、小説募集や会員増強の模索もしてきた。

 当面、取り組む企画としては当クラブの創設15周年記念事業。その核に据えたいのが年次総会時の記念講演会である。実は昨年のノーベル文学賞にボブ・ディランさんが選ばれた。賞の受諾を巡り星加ルミ子さんが地元紙へ辛口のコメントを寄せクローズアップされた。

 星加さんは知る人ぞ知る―の音楽評論家。音楽雑誌編集者としてかのビートルズへ日本人で初めてインタビューを成功させ脚光を浴びた方。 八戸高校出身で東京住まいの星加さんとは連絡をとり協力の内諾を得ている。

 また、15周年を記念、会員相互が協調し前進を誓う徴のバッヂ制作とも取り組みたい。

〈会員として〉―意を新たに

 会への関心、催事への参加呼び掛けなどこれまで機あるごと行ってきた。ペンクラブは「不羈独立」の理念に基づき、文化活動を通じて地域文化を高めることを標榜する。制作できたら新しいバッヂを胸に、潤いある地域や平和な世界を目指し一層の意識高揚を―とひたすら願う。

(会長)