HACHINOHE HISTORIA

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八戸市種差海岸の自然保護保全に関する研究 第1報 種差海岸における自然環境に対する地元民の取り組みかたについて

著者:石丸 浩文 高橋 政嗣

生活の質がより重視され, 快適な環境が求められる今、我々人類は,種々の開発や公害などで、かけがえのない自然の森林や河川・湖沼、海やその海岸線など汚染や荒廃、更には形状を変えるなど, 多くの問題が生じて来た。 野生生物の住みかを奪い, 明らかに消滅への一歩をたどっていると云っても過言ではない。 このような中で世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約をはじめ地球環境保護に対する意識や運動が高まっている。当然,わが国でも, 官公庁をはじめ民間の各団体で, 環境に関する諸問題の取上げも多くなっている。 たまたま, 環境庁が海域生物環境調査 (1989年から3年間,各都道府県に委託し調査が実施されている) [24] を行ったものをみると, 前回 (1978年度) の調査結果に比較し,干潟などは、全国で4,076ヘクタール失われたと報告されている。 このことは,単に干潟だけのことではない。 青森県がまとめた土地白書によると [25], 平成元年度現在で森林の保有が642,400ヘクタールに及んでいるという。しかし, 前年度に比べ1,600ヘクタール減となっており、ここ5年間では5,000ヘクタールも姿を消したとある。 このように、身近にある自然が極めて変化しているのに気付き驚くとともに,その保護保全に関心と,更には保護保全に積極的な参加が強く求められると痛感させられるところである。  このような環境に対する我々八戸に住む者の周辺の環境は,どのように変貌していくのであろうか。 このことに少しでも早くから取り組みその姿をとらえ、より保護保全をと云うべきであったが, 遅まきながら,このことについて取り組むこととし,まず,国の名勝指定を受けている地元八戸市の種差海岸 [26] について,これまでのことを遡り調べると共に、今後についても、その変化などを追い続けていくことにしたのである。  従って,今回は、まず地元紙 (デーリー東北: 本社八戸市) の記事中に取り上げられた種差海岸に関する記事を読み返し, 自然に対する保護保全、あるいは地元の人達の自然に対する興味関心などに注目することとした。

掲載元情報光星学院八戸短期大学研究紀要第15巻(1992)pp.1-10
カテゴリーまちづくり・観光,地形・地質・自然,公害・環境問題
発行年月日1992/12/20
閲覧先八戸学院学術情報リポジトリ
閲覧先での公開範囲非公開