ヨウチエンニオケルホイクノゲンダイカ
幼稚園に於ける保育の現代化
著者:中村 キヤ
森隆夫氏(お茶の水女子大教授)の文で「二千年前の学校」というのが月刊誌「教職研究」に掲載された。 私が設定した題目に対して極めて適切な示唆を与えられたのでこゝに引用させていたいく。 「・・・・・・・・・つまり教育機能を分担する学校が、 多様で、融通性のあるものとして機能していたことになるがそのことを大浦氏はつぎのように述べている。 『当初はまず人々が日常当然に出あるく、そのとき、そのところに自然に出合い、ふれあうような形で小さな学校があらわれたとみてよい。 そこで建物よりもまず教育的なつどいがところどころに発生し、このつどいの動きに応じて、学校もかなり融通性のある動き方をしたとみてよいであろう。』 このように、二千年前の学校は未熟 未組織、 小規模な点に特徴があったわけだが、ここまでくると、われわれが今日描く、未来の学校が、 『多様性・柔軟性』という特質をもっていることに気づくとともに、ここでもまた、二千年前と今日の新しい学校との共通性に目がむく。 二千年前の『未熟 未組織 小規模』 な学校は、今日の学校論からいえばインフォーマルな学校ということになるが、われわれが、今日考えている未来の学校は、『多様で柔軟な組織』 をもつものだが、 インフォーマルでなくフォーマルなものであるという点で、両者は異っているということができよう。」と述べられているように、 2,000年前と、今日の新しい学校との間には驚ろく程の共通点がある(それは 2,000年間に於ける種々な変遷を経たにもかかわらず)。同時又、それは全く同じではなく微妙な相違点が在る事に着目しなければならない。
掲載元情報 | 八戸短期大学研究紀要第2巻(1975)pp.31-48 |
---|---|
カテゴリー | 教育 |
発行年月日 | 1975/11/25 |
閲覧先 | 八戸学院学術情報リポジトリ |
閲覧先での公開範囲 | 非公開 |