東北地方・りんご栽培地域に関する研究 -第2報-

著者:高橋 正雄

第1報では立地論的に、わが国の農業の地域構造上から東北地方のりんご栽培の地理的条件を考察するとともに、りんご樹々感温度指数という農業気象学の全く新しい分野から自然因子の再考を提唱したが、この第2報では東北地方りんご栽培地域の地域形成過程を、地域性の地位層的研究を中心に述べることにする。地位層というのは、すべての商品作物がそうであるように、その時々の国の政策、輸送機関の変貌が地域に与える影響、くだものをめぐる国際情勢の変化、消費者ニーズの動向など社会的諸条件の変化に伴って、りんご栽培という果樹農業がそれぞれの時代の地域社会に果した役割。つまり、地域農業ないしは地域経済における地位を担って今日の産地形成に至っているわけで、その歴史的発展過程を時代区分し、それを下部(旧)から上部(新)へと積み重ねると、そこに、りんご栽培の地位層が見出される。

掲載元情報八戸学院大学紀要 第3号(1984) pp.21-46
カテゴリー工学,地形・地質・自然,地域分析,食(文化、産業),歴史(近代・現代)
発行年月日1984/3/1
閲覧先八戸学院学術情報リポジトリ
閲覧先での公開範囲非公開