青森の刺しこ着  1,014点:県指定 重要無形民俗文化財

関係指定文化財 【南部菱刺し】

平成12年1月19日指定

所有者:青森市

展示(一部):あおもり北のまほろば歴史館 展示コーナー ⑧着物の世界
電話:017-763-5519(あおもり北のまほろば歴史館)
住所:〒038-0002 青森市沖館二丁目2-1 
https://kitanomahoroba.jp/

電話:017-763-5519(青森県文化財保護課)

 青森県は寒冷地のため綿花の栽培は行われず、収入の乏しい農民にとっては木綿布を手に入れるのは困難であった。また、農家倹約分限令という衣食全般にわたっての制限があり、農民は古来からの麻布衣の生活を長い間余儀なくされ、津軽では明治の中頃まで続いた。その麻布衣の補強と保温性を高めることを目的として木綿糸等で刺しつづったのが刺しこ着である。特に、本資料に見られるような独自の模様を展開させながら刺しつづる技法は、他に類例を見ない独特なものであり、南部地方の「菱刺し」や津軽地方の「こぎん」は、用を足すという範囲を超えて芸術的と称されている。また、本資料はごく普通の人々によって過酷な労働と制約の中から生み出されたものであって、芸術性のみでは論じ尽くせない奥深い内容を伴っている。
 これらの刺しこ着は、歴史・経済・文化・技術・芸術・女性史などの各方面から判断しても、江戸時代から昭和初期にかけての青森県内の農民・漁民の仕事着をほぼ外観できる大変に貴重な資料である。