文化財詳細
#考古資料#指定・登録なし#縄文時代#縄文前期#八戸市南郷歴史民俗資料館
円筒下層d1式・円筒下層d2式(蟹沢遺跡)
文化財区分 | 考古資料 |
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時代区分 | 縄文時代,縄文前期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸市南郷歴史民俗資料館 |
縄文時代前期中葉から中期中葉の東北地方北部から北海道南西部では、「円筒土器」と呼ばれるバケツ形の土器がつくられた。この「円筒土器」によって特徴づけられる文化を「円筒土器文化」という。
1926年(大正15)、東京帝国大学の長谷部言人(ことんど)・山内清男(すがお)が八戸市一王寺(いちおうじ)遺跡の調査を行い、この際に出土した土器が「円筒土器」と命名された。また、上層と下層の土器の違いから、前期の円筒下層式と中期の上層式に大別された。慶応義塾大学の江坂輝彌(えさかてるや)は、八戸市蟹沢(かにさわ)遺跡などの出土資料をもとに、円筒土器の細分を進めた。こうした研究により、下層式はa・b・c・d1・d2式、上層式はa・b・c・d・e式の計10型式に分かれ、現在も更なる細分が検討されている。
円筒下層式土器の主な特徴は、形が下から上までほぼ真っ直ぐであり、器面に様々な縄目文様がつけられ、粘土に植物繊維が含まれることである。
初期の円筒土器は、中期中葉にあたる、約5900年前に十和田火山の噴火により降下した十和田中掫(ちゅうせり)テフラ堆積層の直上から出土する。このため、円筒土器の成立には、十和田火山噴火の災害が人類や生態系に与えた影響が深く関わっていると考えられている。
解説執筆者 | 八戸市社会教育課 横山 寛剛 |
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推薦文献 | ①村越潔 1984『円筒土器文化』雄山閣出版 ②八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 2014『海と火山と縄文人-是川縄文館・東京大学共同研究展示-』 ③青森県 2017『青森県史 資料編考古1 旧石器縄文前期~中期』 ④八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 2017『是川縄文ムラを観る・描く-人と風と草木のものがたり-』 |
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(出土・発見・ゆかりの場所)
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