文化財詳細
#考古資料#指定・登録なし#平安時代#平安中期#八戸市博物館
平安時代の祭祀
文化財区分 | 考古資料 |
---|---|
時代区分 | 平安時代,平安中期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸市博物館 |
平安時代の集落では、直接的な衣食住のためではなく、おまじないや祭祀を目的とした道具が出土する事例がある。
錫杖(しゃくじょう)状鉄製品は、仏具の錫杖を模したと考えられ、全国的にも北東北に出土事例が多い地域色の強い遺物である。形状は棒状を呈する杖の上部に二つの輪があり、その輪に鉄筒がいくつか連結する複雑な形状である。そのため、欠損した状態で出土することが大半だが、上七崎(かみならさき)遺跡ではほぼ完全な状態で出土している。
また、土製手捏ねの素焼きで馬形につくられる土馬が岩ノ沢平(いわのさわたい)遺跡で出土している。この土馬は西日本を中心に数多くみつかっており、木製の木馬とともに様々な祭祀で使用されていたとみられるが、関東以北では出土事例が少なく、青森県では2例のみである。
さらに平安時代になると、八戸にも文字資料がはじめて残されるようになる。それが、うつわに書かれた墨書土器や、ヘラによる刻書土器である。文字数は「千」「万」「大」「中」「田」などの1字のものが大半で、中には仏教と関係する「寺」というものもある。2文字以上のものは数少なく、田面木(たものき)遺跡では「方人」と書かれた器が複数まとまって出土しており、住居を廃棄する際のおまじないに使われたものとみられる。
解説執筆者 | 苧坪 祐樹 |
---|---|
推薦文献 |
歴史文化マップ
(出土・発見・ゆかりの場所)
Loading...
文化財マップ
(展示・所蔵場所)
Loading...