文化財詳細
#考古資料#指定・登録なし#弥生時代#弥生中期#是川縄文館
土偶形容器と破砕土偶
文化財区分 | 考古資料 |
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時代区分 | 弥生時代,弥生中期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 是川縄文館 |
八戸平野を一望できる高台に所在する八戸城跡は、縄文から平安時代、そして中世の遺跡でもあり、江戸時代には八戸城が構えられるなど、八戸の中心となってきた場所である。そのため、弥生時代のものは、後世の開発の影響を受けて遺存状態が悪く、遺跡内の数か所でしか確認されていない。そんな中、奇跡的に発見されたのが弥生時代中期の土偶形容器である。
平成12(2000)年、遺跡の北端から1軒の竪穴建物跡がみつかった。直径約5.6mのほぼ円形、4本の主柱穴の中央には地床炉(じしょうろ)があり、壁際に小さな柱穴が巡る。南東側に集中して炭化材が床面を覆っている。土偶をかたどった土偶形容器は炉の北西70cmの所に置かれた状態で、粉々にされた土偶は床面にばらまかれた状態でみつかった。これらには炭化物が付着していることから、竪穴の廃棄にあたり、土偶等を使った祭祀と、家屋を焼却する廃屋儀礼が行われたのだろう。
時代は弥生時代のことであるが、文化としては縄文の伝統が色濃く残っていたことを示す。一方で土偶形容器は、縄文土偶のモチーフをもちながらも機能が変容し、東北南部から関東・東海にかけて蔵骨器(ぞうこつき)として使われており、本例とどう関係するのか注目される遺物である。
解説執筆者 | 八戸市博物館 小保内 裕之 |
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推薦文献 | ① 八戸遺跡調査会 2002『八戸城跡Ⅱ』八戸遺跡調査会埋蔵文化財調査報告書第3集 ②青森県 2005『青森県史 資料編考古3弥生~古代』 ③八戸市 2009『新編八戸市史 考古資料編』 |
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