文化財詳細
#書籍・典籍・古文書#工芸品#市指定#江戸時代#江戸前期#寺社仏閣
八戸藩2代藩主直政とその事績
文化財区分 | 書籍・典籍・古文書,工芸品 |
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時代区分 | 江戸時代,江戸前期 |
指定区分 | 市指定 |
収蔵場所 | 寺社仏閣 |
八戸藩2代藩主南部直政(なんぶなおまさ)は、寛文元年(1661)に盛岡で生まれた。八戸藩が新たに創設されたのは、寛文4年(1664)、直政が4歳のとき。その後、父直房(なおふさ)の急死により、8歳で2代藩主となり、以後は江戸藩邸暮らしとなった。
学問好きの直政は学問を通じて様々な文人と交流があり、彼らとは江戸藩邸内の文林館で詩歌会を頻繁に開いていた。その中には林信篤(はやしのぶあつ)〔大学頭〕や知足院の隆光(りゅうこう)などもおり、文林館は江戸の知識人たちが集うサロンとなっていた。
直政の高い教養と仏教に対する篤い信仰心が見込まれ、幕府内では御詰衆(おつめしゅう)、御側用人と出世し、柳沢吉保(やなぎさわよしやす)とともに5代将軍徳川綱吉に仕えた。病により御側用人を辞した後は、「新編文林全集」の編纂に着手。自作の漢詩を家臣の戸田順折に編纂させた。「新編文林全集」は3部書き写され、江戸の菩提寺である金地院、八戸の菩提寺である南宗寺(なんしゅうじ)、藩邸で大切に保管された。
元禄12年(1699)、39歳の若さでこの世を去った直政は、生前に八戸の安泰と領民の幸福を祈って、国元と大和長谷寺に「紺紙金泥法華経」をそれぞれ奉納している。また、直政の死後、母霊松院によって南宗寺に贈られた「二十五条袈裟」は、直政ゆかりの品の能衣装を袈裟に仕立て直したもので、霊松院の墨書がある。このほかに、直政ゆかりの品として「本小札勝色威二枚胴具足附具足櫃」があり、これは元禄2年(1689)に直政が勧請した新羅宮〔現三八城神社〕へ寄進したものと伝えられている。
解説執筆者 | 八戸市社会教育課 柏井 容子 |
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推薦文献 | ①八戸市教育委員会 2013『はちのへ文化財ガイドブック』 ②岩手県立博物館 2014『ふるさとは岩手 八戸藩の礎となった母と子~二代藩主南部直政と生母霊松院~』 ③八戸市博物館 2014『八戸と9人の藩主』 ④本田伸 2018『シリーズ藩物語 八戸藩』 |
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