文化財詳細
#その他#指定・登録なし#明治時代#明治後期#八戸市立図書館
長谷川藤次郎-八戸漁業近代化の父-
文化財区分 | その他 |
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時代区分 | 明治時代,明治後期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸市立図書館 |
長谷川藤次郎(はせがわとうじろう)は、安政2年(1855)に三重県で生まれた。
慶応2年(1866)に江戸の三井呉服店で奉公した後、帰郷して農業や海運業を手がけた。当時、イワシの豊漁により東北地方の太平洋沿岸で産出していた大量の魚粕に着目。明治20年(1887)頃に八戸に移り住み、魚肥取引やマッチ軸木の製造などの事業で大きな利益を収めた。
藤次郎はこの資金を元に、イワシの沖捕り漁業の研究に心血を注ぎ、従来のあぐり網とアメリカ式巾着網(きんちゃくあみ)から着想した網を考案。明治24年(1891)、素材を麻から錦糸に変えた「改良あぐり網」を完成させ、新式網による漁法を各地の漁業者に伝授・普及させた。これにより、従来の地引網漁から沖合漁業へと画期的に変化し、当時の漁業が急速に近代化した。
明治36年(1903)に湊漁業組合の初代組合長に就任したが、明治44年(1911)の東洋捕鯨会社焼き討ち事件の際に、会社の誘致に協力したとして店舗や自宅などを壊された。
しかし、漁業の近代化に及ぼした藤次郎の功績は大きく、有志により銅像が建立されている。
解説執筆者 | 八戸市社会教育課 畠山 貴憲 |
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推薦文献 | ①八戸市『新編八戸市史 地誌編』 ②八戸市『新編八戸市史 通史編Ⅲ近現代』 ③八戸近代史研究会『きたおうう人物伝近代化への足跡』デーリー東北 |
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