文化財詳細
#絵画・書#指定・登録なし#江戸時代#江戸後期#八戸クリニック街かどミュージアム
ペリー来航風刺画
文化財区分 | 絵画・書 |
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時代区分 | 江戸時代,江戸後期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸クリニック街かどミュージアム |
歌川国芳が描いた「浮世又平名画奇特(うきよまたべえめいがのきとく)」は、近松門左衛門の浄瑠璃「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」を描いた役者絵。しかし、本作が出版許可された嘉永6(1853)年6月は、ペリーが浦賀に来航した時であり、江戸庶民は絵の人物を将軍などに当てはめ風刺を楽しみ評判となった。地震を起こすとされたナマズを、日本を揺るがすアメリカに、そのナマズを要石(かなめいし)で押さえている猿を申年生まれの将軍徳川家定(いえさだ)に例えたようである。
時代は下り元治1(1864)年、画鬼こと河鍋暁斎(かわなべきょうさい)が描いた「暁斎百狂 どけふ百萬編(ひゃくまんべん)」は、大きなタコの周りで大勢が数珠を回す「百万遍」をふざけて描いた「デタラメ」な絵だと画中に記しているが、こちらも風刺画ではないかと当時話題になった。タコの5本の足は米・蘭・露・英・仏の5ヵ国を表し、各国と不平等条約を締結する弱腰の幕府を、骨抜きのタコに置き換えて、それぞれの思惑を持った藩が数珠を回し、動け動けと幕府をせかしているという。後方にはシャチホコの顔をした尾張徳川家、その右は頭に蝶を付けた長州藩、さらに右端に居る裃(かみしも)を着たタコは、足が一本しか描かれておらず、「一つ足」から「一橋」の徳川慶喜(よしのぶ)を表しているという。
政情不安は、庶民の憶測をかき立ててやまない。
解説執筆者 | 八戸クリニック街かどミュージアム 小倉 学 |
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