文化財詳細
#書籍・典籍・古文書#絵画・書#指定・登録なし#明治時代#明治後期#八戸クリニック街かどミュージアム
近代文学木版口絵
文化財区分 | 書籍・典籍・古文書,絵画・書 |
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時代区分 | 明治時代,明治後期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸クリニック街かどミュージアム |
明治20年代頃、江戸以来の思想・道徳観にとらわれた戯作や明治初期の政治小説・翻訳小説とは異なり、現代を生きる人々の人情や風俗を生き生きと描く近代文学が生まれた。なかでも明治28(1895)年、博文館から発行された文芸雑誌『文芸倶楽部』は、樋口一葉(ひぐちいちよう)・尾崎紅葉(おざきこうよう)・泉鏡花(いずみきょうか)・幸田露伴(こうだろはん)・田山花袋(たやまかたい)・山田美妙(やまだびみょう)などが執筆、絶大な支持を集めた。
新ジャンルである近代小説に読者を引き込むため、単行本や雑誌の最初のページには木版による美しい口絵が折り込まれた。浮世絵とは異なる近代的な画風を修得した画家と、浮世絵により培われた彫り・摺りの技術との融合により生まれた木版口絵(くちえ)は、大正初期までの約30年間人気を博し、一時は「口絵のない小説は売れない」と言われるほど重視された。
国芳の孫弟子であり近代日本画家として岡倉天心(おかくらてんしん)らとも活動を共にした水野年方(みずのとしかた)や、その弟子で近代美人画の巨匠となる鏑木清方(かぶらききよかた)、門下から小林古径(こばやしこけい)・前田青邨(まえだせいそん)・奥村土牛(おくむらとぎゅう)らを輩出し日本画家・挿絵画家として知られた梶田半古(かじたはんこ)、狩野派系の画家小林永濯(こばやしえいたく)に学び挿絵画家として一世風靡した富岡永洗(とみおかえいせん)など様々な画家が筆を執り、尾崎紅葉には武内桂舟(たけうちけいしゅう)、泉鏡花には鏑木清方というような名コンビも生まれた。
解説執筆者 | 八戸クリニック街かどミュージアム 小倉 学 |
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推薦文献 | 山田奈々子 2016『増補改訂 木版口絵総覧』文生書院 |
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(出土・発見・ゆかりの場所)
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