文化財詳細
#書籍・典籍・古文書#絵画・書#指定・登録なし#明治時代#明治前期#明治後期#八戸クリニック街かどミュージアム
豪華な多色摺複製木版画について
文化財区分 | 書籍・典籍・古文書,絵画・書 |
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時代区分 | 明治時代,明治前期,明治後期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸クリニック街かどミュージアム |
明治22(1889)年に開校する東京美術学校や明治31(1898)年創立の日本美術院などで横山大観(よこやまたいかん)や下村観山(しもむらかんざん)・菱田春草(ひしだしゅんそう)らを先導し、日本画の革新を図った岡倉天心〔1863-1913〕。「日本近代美術の父」とも称される天心は、一方で古美術調査・研究に大きな功績を残した。第一号冒頭に「夫れ美術は国の精華なり」と掲げた日本・東洋美術研究誌『国華』の創刊もその内の一つで、現在も続く美術雑誌としては世界最古となる。
天心は図版にも大変こだわり、当時の先端美術であったコロタイプ写真による精細な白黒図版の他、カラー写真のない時代、浮世絵により洗練された高度な多色摺り木版技術を活用した。1枚を制作するのに通常の浮世絵では10~20回の重ね摺りを行うのに対し、『国華』では50~60回、200号記念では驚異の200度摺りに及び、美術品の精緻な装飾を見事に再現した多色摺り木版図版は、それ自体が美術品であると称された。
この技術を活かし明治後期~大正期を中心に『真美大観(しんびたいかん)』『光琳派画集』『東洋美術大観』『和漢名画選』など豪華な美術全集類がいくつか出され、日本初の官製美術史『Historire de l’ art du Japon(日本美術史)』にも採用されるなど、日本の伝統木版技術は、日本・東洋の美術を国内外へ広く紹介することにも貢献した。
解説執筆者 | 八戸クリニック街かどミュージアム 小倉 学 |
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推薦文献 | 岩切信一郎 2009『明治版画史』吉川弘文館 |
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(出土・発見・ゆかりの場所)
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