文化財詳細
#絵画・書#指定・登録なし#江戸時代#江戸後期#八戸クリニック街かどミュージアム
戊辰戦争風刺画
文化財区分 | 絵画・書 |
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時代区分 | 江戸時代,江戸後期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸クリニック街かどミュージアム |
江戸時代は、幕政下の社会情勢や武士などを描き出版することは禁じられていた。そこで、戊辰戦争が始まると刻一刻と移り変わる戦況を、昔の歴史場面や子供の遊びの情景に仮託し、その中で藩名を示す「しるし」を忍ばせる形で、沢山の風刺画が刊行された。これらは、混乱期のどさくさに紛れ、絵師や版元名を記載せず、出版許可も取らない作品が多い。
「鳥羽画巻物(とばがかんもの)之内屁合戦」は、〈兵力〉を〈屁威力〉に置き換え、錦の御旗を表す模様の巾着袋(きんちゃくぶくろ)を、サツマイモが名産の薩摩藩を中心とする新政府軍の「新兵〈屁〉器?」に見立て、旧幕府軍を吹き飛ばしている面白い作品。
「天正年中上杉謙信上洛之折から…(略)」は、上杉謙信上洛の故事に仮託し、上野戦争勃発を防ごうと嘆願に来る江戸町人の姿〔ネギが4本で「根岸」など羽織の模様が町名を表す〕を描いている。
また、「子供あそび 百ものがたり」では白河の関の屏風から飛び出すお化けに、逃げかえる子供たちを描き膠着(こうちゃく)状態の会津攻撃を表している。本図では、お椀のお化けは漆器が名産の会津藩、2色のカゴの目模様の着物はカゴシマで薩摩藩、蝶の柄は長州藩を表す他、右上には肩に「南」と書かれた盛岡南部藩も描かれている。
解説執筆者 | 八戸クリニック街かどミュージアム 小倉 学 |
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推薦文献 | 奈倉哲三編 2007『絵解き幕末風刺画と天皇』柏書房 |
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