文化財詳細
#工芸品#国宝#鎌倉時代#鎌倉後期#南北朝時代#櫛引八幡宮 国宝館
国宝「赤糸威鎧 兜、大袖付 附唐櫃」
文化財区分 | 工芸品 |
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時代区分 | 鎌倉時代,鎌倉後期,南北朝時代 |
指定区分 | 国宝 |
収蔵場所 | 櫛引八幡宮 国宝館 |
金物を最も多く用いて豪華かつ華麗に飾り、黒漆の小札(こざね)を茜染めの組糸(くみいと)で威(おど)した「赤糸威鎧(あかいとおどしよろい)」で、奈良県春日大社所蔵の国宝「赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)(竹虎雀飾)」と東西の双璧と称される鎧である。
金物は、銅地鍍金高肉彫(どうじときんたかにくぼり)で、重なり合った枝菊(えだぎく)を精緻に表現しており、地を透かしたものと鍬形台(くわがただい)のように魚子地(ななこじ)としたものの二通りの様式が用いられている。兜の正面や吹返(ふきかえし)、鳩尾(きゅうび)の板などは金物で全面を覆っており、袖には瑞雲と籬(まがき)に枝菊の金物を配し、鍬形台、吹返、袖に一文字に三盛菊文(みつもりぎくもん)を据えている。
兜は、黒漆塗の鉄板を星(ほし)と呼ばれる鋲(びょう)ではぎ合わせた星鉢(ほしばち)で、兜の四方には飾金物を配している。眉庇(まびさし)には八重菊枝文(やえぎくえだもん)の鍬形台が打たれ、重厚な大鍬形(おおくわがた)が付いている。
この鎧は、鎌倉時代に盛んになった高肉彫(たかにくぼり)や透彫(すかしぼり)、透彫の彫金技法を背景に、鎧が工芸品として最高水準に達したことを示す作品である。春日大社所蔵の甲冑は、祭礼の際の随兵の鎧であったことから、櫛引八幡宮の鎧も同様の可能性が考えられている。
解説執筆者 | 八戸市社会教育課 柏井 容子 |
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推薦文献 | ①『南部一之宮 櫛引八幡宮』 ②青森県 2010『青森県史 文化財編 美術工芸』 ③八戸市 2012『新編八戸市史 地誌編』 |
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(出土・発見・ゆかりの場所)
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