文化財詳細
#その他#指定・登録なし#昭和時代#昭和前期#八戸クリニック街かどミュージアム
吉田初三郎「八戸市鳥瞰図」
文化財区分 | その他 |
---|---|
時代区分 | 昭和時代,昭和前期 |
指定区分 | 指定・登録なし |
収蔵場所 | 八戸クリニック街かどミュージアム |
昭和7(1932)年夏、八戸市から旅行案内鳥瞰図制作の依頼を受け、種差海岸を訪れた吉田初三郎(1884-1955)は、「ここは正に日本一の絶景」と種差を絶賛し、別荘兼アトリエ「潮観荘(ちょうかんそう)」を建設、活動拠点の一つとした。日本全国の名勝を知り尽す初三郎の言葉は、当時港湾建設のため岩石と砂利の採取場となっていた海岸を保存し、観光利用へ転換する方向を後押しした。
近代鳥瞰図の第一人者で「大正広重」と称された吉田初三郎は、京都に生れ洋画を学んだ後、恩師の勧めにより商業画家の道を目指した。大正2(1913)年に描いた旅行案内図処女作「京阪電車御案内」が、翌年、皇太子殿下(後の昭和天皇)の御嘉賞を受けたことにより、旅行案内の鳥瞰図絵師として「図画報国〔絵を描き国に尽くす〕」を誓うこととなった。
数百枚に及ぶ踏査写生をもとに、鳥の視点から自在に構図を操り日本全国の景観美を表現した独創的な初三郎式鳥瞰図は、生涯2000点にも及ぶ。また、昭和5(1930)年外国人観光客誘致用に手掛けた国際観光局第一弾ポスター「Beautiful Japan」は、「桜・富士・芸者」のイメージを世界に定着させたともいわれている。
刊行された「八戸市鳥瞰図」は、昭和8、12、25、29年の4点で、その他肉筆画が複数現存する。
解説執筆者 | 八戸クリニック街かどミュージアム 小倉 学 |
---|---|
推薦文献 | ①2002『別冊太陽 大正・昭和の鳥瞰図絵師 吉田初三郎のパノラマ地図』平凡社 ②堀田典裕 2009『吉田初三郎の鳥瞰図を読む 描かれた近代日本の風景』河出書房新社 ③益田 啓一郎 2009『美しき九州―「大正広重」吉田初三郎の世界』海鳥社 |
歴史文化マップ
(出土・発見・ゆかりの場所)
Loading...
文化財マップ
(展示・所蔵場所)
Loading...