HACHINOHE HISTORIA

はちのへエリアのインバウンドの取組について

一般財団法人 VISITはちのへ

青森県南地域の8市町村(八戸市、三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町)は、これまでも市町村の枠を越えて、圏域全体で地域づくりに取り組んで参りました。その枠組を活用し、観光及び物産の事業の合理化と強化のため、関連4団体(八戸地域地場産業振興センター、八戸市物産協会、八戸観光コンベンション協会、八戸広域観光推進協議会)の統合及び八戸市の観光ソフト事業の約6割を業務移管することにより、観光振興と物産振興の両機能を併せ持つ地域マネジメントの観光地域づくり法人(DMO)として、2019年4月1日に、八戸圏域版DMO「VISITはちのへ」が誕生いたしました。その後、同年8月7日に日本版DMO法人に登録されました。

DMOとは、Destination Management/Marketing Organizationの略称で、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域住民の地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協働しながら活動することが求められています。

国では、2016年に定めた「明日の日本を支える観光ビジョン」において、訪日外国人観光客(以下「インバウンド客」という。)数に関して2020年に4,000万人、2030年に6,000万人の目標を定めております。今後は、国内での人口減少に伴い国内旅行市場の縮小が想定される中で、観光を経済成長の重要なエンジンとして定めております。

インバウンド客の1回の旅行当たりの平均宿泊数は 8.8 泊で(※1)、日本人旅行者の平均宿泊数2.31泊(※2)に比べて多いのが特徴です。また、インバウンド客は、1回の旅行で複数の地域を訪れる傾向があります。

はちのへエリアにおけるインバウンド客の延べ宿泊者数は、2019年度の24,380人をピークに、以降は新型コロナウイルスの影響で激減しております。

<表1>はちのへエリアにおけるインバウンド客の延べ宿泊者数(画像提供:一般財団法人VISITはちのへ)

また、2019年度の延べ宿泊者数を国籍別にみると、台湾が最も多く、次いで中国、アメリカとなっています。

当団体でも、インバウント客の獲得に向け取り組んでおりますが、インバウンド客にとって、はちのへエリアの魅力はどういったところなのでしょうか。インバウンド客が旅先を決める際に、旅行先の情報を知っている必要があります。逆の言い方をすれば、はちのへエリアの情報がなければ、旅の行き先としてはちのへエリアを選ぶことはありません。そのため、まずは魅力的な旅先として当地域が認知されるよう、当団体創設以来、英・仏・台湾に現地エージェントを設置し、情報発信を行っております。

このような中、 “混雑を避け、地元の人々の生活や文化、自然を体験する旅行” という、これからの旅行トレンドに合った旅先として、世界的に権威のある旅行雑誌であるコンデナスト・トラベラー誌英国版(WEB版)で、「2022年ベストホリデー・デスティネーション」として日本で唯一八戸が紹介されました。

具体的には、震災からの復興、みちのく潮風トレイル、縄文遺跡、史跡根城及び南部の伝統工芸が紹介されております。

みちのく潮風トレイル
(画像提供:一般財団法人 VISITはちのへ)
南部の伝統工芸
(画像提供:一般財団法人 VISITはちのへ)

他方で、『食』は、インバウンド客にとって魅力的な観光要素のひとつ(※3)である一方で、宗教面やアレルギー、ヴィーガン等への対応については、今後飲食店等での対策を強化していく必要があります。そのため、当団体では、他団体と連携し、接遇研修やピクトグラムの表記等を進め、インバウンド客及び受け入れる地域側のどちらも困らないよう、インバウンド客の受入体制の充実に取り組んで参ります。

八戸前沖さばを用いたづけ丼
(画像提供:一般財団法人 VISITはちのへ)
八戸ブイヤベース
(画像提供:一般財団法人 VISITはちのへ)

今後も、圏域市町村や八戸商工会議所などの関係団体並びに県内外DMOと連携して事業を展開し、来訪者の増加による新たなビジネスの創出と雇用の拡大、定住人口の増大につなげ、持続可能な地域づくりに貢献できるよう努めて参ります。

※1 観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年調査結果より
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001345781.pdf

※2 JTBF旅行実態調査より 
https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/10/nenpo2020_1-2.pdf

※3 2019年訪日外国人消費動向調査結果より
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001345781.pdf

2023年2月掲載