八戸の農業について

八戸市 農林水産部 農業経営振興センター

八戸市の総面積30,556ha(令和2年10月1日現在)のうち、農業振興地域は総面積の79%(24,031ha)、農用地区域は13%(3,891ha)を占めており、この農用地区域を中心に農業生産が行われています。

農業産出額は、耕種・畜産を合わせ約167.9億円(令和2年推計値)で、県内第4位の数値となっています。

当市の地形は概ね平坦ですが、南方には階上岳の裾野として台地・丘陵地が僅かに形成されています。北部は、十和田湖から流れ出ている奥入瀬川が東流し、太平洋に注いで市界をなし、これと並流して奥羽山脈から発する馬淵川、北上山地から発する新井田川が市の中心を流れ、これら河川に沿って耕地が開け、平坦地に水田が、その周辺台地・丘陵地に畑と樹園地が展開されています。

気候は年平均気温約10℃、年総降水量1,000mm程度、年総日照時間1,900時間程度となっています。夏期は、比較的冷涼ですが、やませ(偏東風)により、冷害を招くこともあります。冬期は、東北地方北部にありながら、積雪量が少なく、日照時間が多いことが特徴です。

市内の農業生産の状況は、水稲をはじめ、ながいも、ねぎ、ピーマン、にんにく等の露地野菜、いちご、ミニトマト等の施設野菜、りんご、ブルーベリー等の果物、キク、トルコギキョウ等の花き、そば等の畑作物、葉たばこ等の特用作物、鶏卵等の畜産物など、地域特性を生かした多彩な生産が展開されています。

ピーマン (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)
ミニトマト (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)

近年では、八戸農業のブランド化に向けた取組が進められており、平成24年に八戸伝統野菜として選定された「糠塚きゅうり」、「八戸食用菊」、八戸特産野菜として選定された「八戸いちご」、さらに平成26年度に始まった「八戸ワイン」事業など、官民学一体となった普及活動を行っています。

食用菊 (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)
糠塚きゅうりを使った料理教室 (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)

また、こうした農業生産という本来の役割の他に、市民に潤いと安らぎをもたらす場としての緑と良好な景観、水源のかん養、自然環境の保全、防災空間としても重要な役割を担っています。

流通面では、当市は農作物の生産地であると同時に、市域人口約22万人の消費地となっており、また、北部中央の青森市、南西部の弘前市と県内を3分する経済圏の1つの中核都市として、市内のみならず近隣エリアに新鮮かつ良質で多彩な食料を安定的に供給しています。

キャンベル出荷  (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)
ワインセミナー (画像提供:八戸市農林水産部農業経営振興センター)

加えて、東京都までは約650kmの距離にあり、東北新幹線、東北縦貫自動車道、八戸港を有しているほか、近くに三沢空港もあり、交通利便性の高い地域となっており、こうした高速交通網の整備により首都圏を中心とした広域流通も展開されています。

2023年2月掲載